Garufuの日記

最近、限界が近くなってきたとある男の日記。

ライブレポ 大阪公演「Glowing Rock!」な話

気温が高すぎるのは何故なのか。

2月も中旬なのに春先みたいな格好で殴り込んだのは関西 大阪。

コロナも真っ盛りのさなかに何故に堺の港に?

答えは明白であり、私の推しに会いに行ったのである。

 

アイドルマスターシンデレラガールズ 7thLIVE TOUR 第3部公演「Glowing Rock!

 

先の9月幕張公演、名古屋公演と続いてきたシンデレラの7度目の軌跡、

その最後の地へと私は優れたるPである友人たちとともに降り立ったのである。

 

私自身のP歴は非常に浅く、浅い。

学生時代に星輝子が気になり、それ以降ハゲを自称するだけの存在だった私が

こうして7度目の軌跡を全日立ち会えたのはまさしく友人に恵まれたことに

あることは間違いありません。この場で感謝御礼を申し上げます。

 

ライブの話をしましょう。

7thツアーは東・名・阪の三カ所で行われた大規模なツアーであり

それぞれに「Pop」「Dance」「Rock」というテーマが割り付けられていました。

今回の大阪公演は「Rock」がテーマとなっていたわけで、シンデレラガールズには

Rockといえば彼女!というアイドルがいる。

 

木村夏樹」 (以下、なつきち)

 

彼女を欠いてアイドルマスターシンデレラガールズのロックを語るのは非常に難しい。

と断言できる存在です。ですが大阪公演に彼女はいません。WHY。

みくりーなは当然、炎陣はほぼ全員参加、小梅も輝子も揃って非常にバランスがいい。

しかし、なつきちがいない。

 

なつきちがいないのに、そこにはRockはあるのか?

なつきち不在である以上は、その期待を背負うのは誰か。

にわかロックの相方であるりーなだ。いいのか?それでいいのかシンデレラガールズ

申し訳ないが、輝子とVelvetRoseという明確な推しが参戦する大阪という大舞台で

Rockの代名詞どころかロックアイドルである木村夏樹の不在は、

各公演のメンバ発表時に私に多大なる衝撃を与えた。どうして。わからない。 

 

そして、なつきちが参戦したのはまさかの名古屋公演「FunkyDance」であった。

もうわからない。俺には運営の心がわからない。わかりようがない。

Pとしては初心者感覚なガルフだったが、参加アイドルに関しては敏感であった。

そもそもDanceの定義がよくわからないが、何故そこになつきちなのか。

ギターを持った時点でもうRockだしDanceもできない。

脳内の木村夏樹のイメージと「Dance」が全くかみ合わず私はただただ困惑し続けていた。

 

これは11.9名古屋公演「FunkyDance!」に参加する前の話である。

 

申し訳ないが、この公演に対する私の情熱は非常に低かった。

推しが森久保しかいなかったからである。しょうがないね。

だから、せめてDanceするなつきちは観ておこうと思った。そんな公演前夜だった。

 

大変悲しいことに、事態は私の遙か彼方、那由多の向こう側であった。

そうだろう、私は「Rockしているロックアイドルの木村夏樹」しか知らなかったのだから。

そして私は、「安野希世乃」という声優に関してあまりに無知であった。

私はこの日、名古屋公演にて人生でもっとも深い感銘と傷を得ることになる。

 

 

ステージはミラーボールラブのPVで観たあの特殊ステージ。

いままでが学芸会スタイル+花道+センターステージという構成のライブしか観てこなかった

私にとって前日までの低かったテンションはすでに臨界を迎えようとしていた。オタクはこういうのに弱い。

そしてミラーボールラブと回転するTulip。あれ踏ん張りながら歌って踊ってるんだよな、声優ってすげぇ。

そしてRemixミツボシやショコラティアラ。

特殊構成ステージではあったが、通常のライブと同じように私はペンライトを振り、コールを入れ、時にUOを折っていた。変わらない。今までとなにも変わらない。そのはずであった。

 

事態が急変したのは7曲目「PROUST EFFECT」が終わったあとだった。

志希ちゃんこと藍原ことみやべーなと拍手をし終えたタイミングだった。

エレクトロな導入からの鈴木みのりのピンと張った声でスタートするよく知る私のお気に入り

「未完成の歴史」

 

私の精神状態はここから崩壊の一途を辿った。

 

この名古屋公演、未完成オリメンの一翼である加蓮がいないのである。

つまり、肇ちゃん、飛鳥にもうひとりを加えたメンバーとなる。まぁ今まで参加したライブではよくあったことだ。

私は青いペンライトを握り直し、そして瞬間、鼓膜は間違いなく彼女の声を捉えた。

 

「立ち止まるこの瞬間を、勇気だと呼びたいから」

なつきち/安野さんだった。

 

 

あまりにもタイミングがいいことに直前になつきちが登場するあるイベントが行われていた。

「空想探査計画」

普段はロックアイドルで通っているなつきちが、ほかのPaメンバーとともに児童に本を紹介するという

内容のイベントであった。ふだんと全く違う、「本を読むなつきち」があまりにも輝かしく、

空想探査計画も語りかけるような歌はあまりにも衝撃的で、しかしそれだけでしかなかった。そのはずだった。

 

リアルの安野さんの歌声はあまりにも説得力がありすぎた。

ロックじゃない、なつきちの、「今」とそして過去、未来へ馳せる思いを

未完成の歴史の壮大なスケールとともにぶつけられ私の精神は名古屋ドーム客席ペンライトの海の中で

かつてないほどに木っ端みじんに霧散してしまった。

止まることがない涙を拭うこともできず私は、「自分らしさ」を肯定して”くれる”木村夏樹という

アイドルに、彼女というアイドルに魂の息吹を与えた安野希世乃さんという演者に、

ただただ打ちのめされることしかできなかった。

 

顔は涙で濡れて冷めていく中、心の奥底は知らない熱が彷徨い、

感情の出口を失ったままライブは進行していく。

やたらセクシィな世直しギルティ、久しぶりの生イリュージョニスタでUOが飛び交い、

かと思えばクレイジークレイジー、何度目かのLast Kissは艶やかに歌い上げられ

婦警は踊り、続くはまつえりのNation blueとジェットコースターのようなセトリを抜け、

こずえ・ナターリアによる「夢をのぞいたら」で第2幕は終了。MCへ

 

踊った。思ったより楽しい。楽しすぎた。

しかし、心の奥底では、未完成の歴史で灯った名状しがたい感情が残ったままだった。

我ながら年をとったなと自虐しそうなままMCはあけ、

 

あのシンセから始まるイントロが流れ出した。

「さよならアンドロメダ

 

たしかにこの曲は泣き曲だ。それは認める。しかし悲しいかな、私は「歌で泣く」はまったく未知であった。

しかしその未知はすでに「未完成の歴史」により踏破され、

私の目の前に再び安野さんが現れた。このセトリ考えたひとは人の心がないか、相当のロマンチストなのだろう。

 

名古屋ドームは一瞬で満点の秋の星空へと姿を変え、センターステージには6人のアイドルの姿があった。

語るように、流れるように少女たちが歌う。秋の夜に、笑わない僕と傍らの君。

銀河鉄道の夜のジョバンニとカムパネルラのように惹かれ、そして分かれていく優しい失恋歌。

サビのたびに銀河に写す世界に落ちる波紋と散る星々、そして煌めくアンドロメダ

流麗な書体で書かれる君と僕の語らい、そして

まっすぐな凜/福原さんの声が、強さを宿したノノ/高橋さんの声が、艶のあるさえはんの声が、芯のある乙倉くんの声が、鈴のように優しく響く芳乃の声が、

そして遠く遠く銀河の果てまで届きそうな静かに熱い安野さんの声が、わたしの心をめちゃくちゃにとらえてしまった。

私は囚われてしまった。その一瞬に、ゆっくり回るセンターステージで、己のが込めた渾身のアンドロメダ

私の小さく動くだけだった感情をあまりに大きく揺さぶってしまった。

 

僕は現実に戻り、君は銀河の海に独り旅立ってしまう。少女たちの歌が終わる。

わたしは万雷の拍手の中でただただ泣くことしかできなかった。

それは私が知るエモーションを遙かに凌駕してしまっていた。

知る世界を遙かに超えた、銀河の先へと連れて行かれた僕は、処理できない感情とともに

観客席へと戻る。流れてくる元気なサニードロップのイントロが私を暗い静かな川辺から呼び戻す。

 

私の中でのなつきちはこの日、「ロックなアイドル」ではなく、「自らの好きと、運命に対して誠実なアイドル」

という印象に変わってしまった。彼女は、「自らの好きを肯定する」役目をロック無しで全うしてみせたのだ。

圧巻だった。自らの見識の低さに目を潰してしまおうかとおもうほどだった。

遙か彼方、大阪の地に夢を馳せながらも彼女はアイドルとして自らを表現しきってみせたのだ。

ロックがなくとも、なつきちはなつきちだった。私はそれを見なかった。見ようとしなかった。

そして見せつけられてしまった。

 

Day2の空想探査計画も申し分のない出来だった。私はふたたび安野さんの歌声に屈服し

そしてまたアンドロメダの輝く空に連れ戻される。ラスサビを越え、満点の星空を見つめ続けるアイドルたちに

私はこの日も拍手を送ることしかできなかった。

 

今回のライブツアーは、惜しまれながらもなつきちは名古屋公演でその出番を終えた。

しかし、彼女が私に与えたインパクトはあまりに大きかった。

託すわけでも、まして願うこともなかった。「FunkyDance」という一見場違いそうなテーマにおいても

木村夏樹木村夏樹だったのだ。木村夏樹というアイドルが、自らはここにいると証明した。

ただそれだけだった。ただそれだけのことに私は打ち震えてしまっていた。

 

テーマに沿ってアイドルたちが歌い踊るのではないのだ。

定められたテーマの中でも、シンデレラちはその一瞬一瞬に自らの魂の煌めかせるのだ。

自らの歌で、踊りで、トーク、自分らしいやり方で、その在り方を証明するのだ。

それがシンデレラガールズのライブなのだと私は名古屋公演におけるなつきちから得たのだ。

 

バトンを託されたのは、りーなでも、炎陣でもなく、P自身だった。

あの煌めきを、彼女たちの魂の一分一秒を連れて最後の地、大阪へ向かうことこそが

私にとっての、プロデューサーとして、木村夏樹の熱を連れていくこともまた7thライブなのだと。

アイドルと、演者と、続いていく五線譜の先にこそこのライブの答えがあるのだと、

私はそう解釈した。そうでなければ、この心を突き刺すような熱はなんなのか説明ができなかった。

膿んだ傷口が熱を持つように、古傷がふと痛むように、木村夏樹アンドロメダは私の心につき刺さったまま終ぞ抜けることはなかった。

 だが同時にこれは喜びでもあった。シンデレラの輝きの可能性を。7色の軌跡を。

無限の可能性を。証明された。超える、超えないではないのだ。GlowingRockではまた

私は間違いなく推しの魂の輝きを目撃するのだという確かな期待に包まれたのだ。

 

ここまでは名古屋ドームでの出来事。

11月、秋のさなかに、私を大きく変えてしまった満点の星空とあるアイドルの話。

 

 

長々と思い出話をしてしまい、ここまで読んでいただいた方には申し訳がない。

ただ、大阪公演に臨む上に私が抱いていた思いを整理したく記事を起こしました。

感想戦はまた、別の記事で書かせていただきます。それでは。